過去の召喚:VALORANTの「ピエドラ・デル・ソル」

Episode 5 Act II バトルパスのスキンシリーズ「ピエドラ・デル・ソル」が、いかにしてアステカ神話の神々を新時代のゲームに取り入れたかご紹介します。

こんにちは!VALORANTプレミアムコンテンツチームのウェポンアーティスト、Raquel Garciaです。スキンシリーズ「ピエドラ・デル・ソル」をデザインする機会を与えられ、このアーティスティックな冒険を通して得た体験についてお話しできることを大変嬉しく思っています。後ほどVALORANTのアートアウトソーススーパーバイザーを務めるSammi Pedregonも話に加わります!

本記事では、チームがアステカ文明の古代美術に見られる要素をどのように武器に取り入れたかご紹介します。スキンシリーズの立ち上げからリリースまでの完全なプロセスに関心がある方は、Championsコレクション制作の舞台裏を見せた最新動画をご覧ください。

新時代のゲームに過去を取り入れる

このスキンシリーズに取り組む上で楽しかったことのひとつは、歴史を勉強してアステカ文化についてより詳しく学んだことでした。私に課された仕事は、アステカ神話の神の1柱、ショロトルの要素を取り入れたゴーストのデザインでした。ショロトルは一般的に犬の頭を持つ人間の骸骨の姿で描かれる、アステカ神話の冥界「ミクトラン」で死者を導く神です。この神を銃のデザインとして表現する芸術的要素を探りつつ、現代的なゲーム世界にも馴染みやすいデザインを目指しました。

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(コンセプトディレクションはSean Bigham、カラーはSam Brownが担当)

初期コンセプトをチェックした際、顔部分にどちらかというと猫っぽさを感じました。しかしこの武器には、ショロトルが本来描かれる姿である犬らしい見た目を持たせたいと思っていました。なので、頬に丸みをつけ、口吻を四角くし、鋭く尖った耳を少し丸くすることで、デザインに初期コンセプトとショロトルが持つ犬の要素の両方を取り込みながらも、プレイヤーが「これは何の動物だろう」と想像できる余地も残したのです。

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こうして、世界中のプレイヤーが楽しめる、ショロトルの特性がたっぷり詰まった武器デザインが完成しました。次は、Sammi Pedregonがこのスキンシリーズの他の武器について語ります。

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こんにちは!VALORANTのアートアウトソーススーパーバイザーのSammi Pedregonです。私からは、スキンシリーズ「ピエドラ・デル・ソル」のゴースト以外の武器についてお話しします。私はゴーストのデザインに命を吹き込んだRaquelと緊密に連携し、他の武器にも歴史的な信憑性のあるデザインが施されるよう力を注ぎました。

Raquelがゴーストについて説明した通り、それぞれの武器のデザインにアステカ神話の神が取り入れられていますファントムはケツァルコアトル(創造神)、バッキーはウィツィロポチトリ(太陽神、軍神) 、そしてジャッジはテスカトリポカ(夜空の神)を象徴しています。私たちはラテンアメリカオフィスと相談しながら各武器の顔のデザインを決め、それぞれの神を最もよく表現できる色合いを探りました。

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近接武器はアステカのサンストーン(日長石)と、マクアフティルという、黒曜石を刃として木の棍棒に固定したアステカ文明の武器をベースとしています。

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「ピエドラ・デル・ソル」を現代的な世界観と融合させるうえで最も難しかったのは、コンセプトを最高の見た目のまま3Dモデルに変換することでした。武器デザインの初期バージョンでは、特に顔の部分がそれ以外の部分と比べて非常に偏っているか、小さすぎるか、釣り合いがとれていない状態でした。各武器の様々な部分を作り直して調整し、アステカ文化の美しく細密な石細工に近付けることは必要不可欠でした。

以下が初期の武器デザインを写したスクリーンショットです。

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こちらが近接武器の初期バージョンです。黒曜石の刃を2枚取り付けるために、基部の下半分が長くなっていました。近接武器の初期デザインでは、上部だけが強そうな印象を与え、その基部には「アグレッシブさ」が足りないように感じられました。実用的な見た目を持つ使い勝手の良い武器に仕上げるため、近接武器には何度も再調整を施しました。

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古代武器がVALORANTの現代的な世界観でも映えるよう、私たちは繰り返しデザインを練り直しました。これらの武器を美しく仕上げてくれたパートナーベンダーには、とても感謝しています。またRaquelにも、ゴーストのデザインにおいて細部まで気を配り、スキンシリーズ「ピエドラ・デル・ソル」に調和する美を完成させてくれたことに感謝します。