プレイヤーの行動に関するアップデート:AFKと対戦回避
皆さん、こんにちは!VALORANTのコンペティティブシステムチームでプロダクトマネージャーを務めるLeo Del Realです。
AFK(離席行為)をはじめとした対戦回避行動がどう扱われるかなど、プレイヤー行動に関するシステムについてこれまで何度かお伝えしてきました。こうした対応を行うようになったのは、これらの行動が試合全体の体験を損なうものであり、発生の頻度も低くないことが確認されていたからです。
今回は、これまでに私たちチームが確認してきたこと、それに対しての対応、そして今後どのような対策を進めていくかをより詳しく説明します。
要約:
- 現在の対応
- 現在のシステムは繰り返し妨害行動をする一部のプレイヤー集団に対して十分な対応ができていなかったため、システムの一部に変更を加えました。
- 11.00では、AFK(離席行為)などの妨害行動を繰り返し行うプレイヤーに対してより厳しいペナルティーを課せるように、システムを変更しました。
- その後の11.05では、AFKによる無効試合や対戦回避など、コンペティティブにおける問題行動へのペナルティーを調整し、妨害行動を繰り返し行うプレイヤーに対してより素早い対応ができるようにしました。
- これまでの結果
- コンペティティブ:AFKや類似の行動の発生頻度が20%減少。
- スイフトプレイ:AFKや類似の行動の発生頻度が6%減少。
それでは、詳細を確認していきましょう。
プレイヤー行動に関するシステムの概要
前回、プレイヤー行動に関するシステムに関してお話ししてから少し時間がたちましたね。そこで、まず最初に前回までの内容を簡単にまとめました。
妨害行動を繰り返すプレイヤーに対しての対応をより厳しくし、単発的なケース(繰り返しではないケース)に関してはプレイヤーに警告を発するようにシステムを調整しました。
行動の種類によって異なるレートを用いるレーティングのシステムを使って、時間をかけて行動を追跡しています。
妨害行動が確認されるとレートが下がり、妨害行動を行わずにゲームをプレイしていると徐々に回復していきます。
レートへの影響は行動の内容によって異なります。例えば、2回のラウンドでAFKを行うことと、6回のラウンドでAFKを行うことでは、影響の大きさが異なります。
さらに注視している理由
プレイヤー行動のレートは全体的に非常に高い数値となっており、これ自体は良いことのように見えますが、プレイヤーの皆さんから報告を受けている内容や、実際に私たちが確認している状況とは違っています。
私たちが気づいた点
実際のところ、このシステムは特定の事例において時間とともにプレイヤーの行動パターンを追跡することにはあまり向いていなかったのです。このため、ごく一部のプレイヤーは行動に応じた適切なペナルティーを課されることを回避していました。
こうした事態は、以下の2種類のプレイヤーのグループ(どちらにも当てはまるプレイヤーも多い)でよく生じていました。
妨害行動の頻度は高いものの、妨害行動の深刻度があまり高くないプレイヤー。例:ほぼ毎試合のように1~3ラウンドでAFKを行うが、大きなAFK(長時間の離席)は行わないケース。
妨害行動の頻度は高いものの、試合のプレイ数も非常に多いプレイヤー。例:1か月で150試合をプレイし、そのうち15試合でAFKを行うケース。
例として挙げたケースはそれぞれのグループの典型例であり、こうしたプレイヤーにこそシステムがきっちりと対応してくれる必要があります。
ちなみに、先ほど述べた「ごく一部」とは文字通りごく一部にとどまります。AFKに関して言えば、こうしたグループの割合はアクティブプレイヤーの1%未満ですが、その行動がコンペティティブ、スイフトプレイ、アンレートにおけるAFKの13%を占めています。
プラスに考えるのであれば、これはVALORANTのプレイヤーの大半は妨害的な行動を取っていないということです。しかし、たった1人のプレイヤーの行動で試合は台無しになってしまうため、こうした1%のプレイヤーが大きな影響を及ぼしてしまうのです。
これまでの対応
こうして得られた現状のデータを基に、私たちは2つの問いを設定しました。
プレイヤーの実際の行動に応じて、適切なレート低下が行われているか?
問題行動を防止するための適切なペナルティーが課されているか?
これらの問いに答える中で、2つの大きな変更を加えることが決まりました。
レート低下:11.00では、AFK(離席行為)などの妨害行動を繰り返し行うプレイヤーに対してさらに正確にレートの低下を行うことで、より厳しいペナルティーを課せるようにシステムを変更しました。
ペナルティー:その後の11.05では、AFKによる無効試合や対戦回避など、コンペティティブにおける問題行動へのペナルティーを調整し、妨害行動を繰り返し行うプレイヤーに対してより素早い対応ができるようにしました。
レート低下システムの調整により、AFKに対しては満足のいく結果が出たものの、無効試合に対しては今一つの結果でした。特に、イモータルやレディアントなどの高ランク帯では無効試合が頻繁に繰り返されるケースがよくあり、対策が不足していることがより明らかでした。これは、厳しい試合を回避するための意図的な連続での無効試合や対戦回避、ウィントレード(八百長行為)、他者への迷惑行為などが、そういった行為を繰り返すプレイヤーにとってデメリットよりもメリットが大きいことを示しています。そこで、ペナルティーをより厳しくして、わざとこうした行為をしようという気持ちを無くさせる必要があると考えました。
上述したようなグループに当てはまる行動をとっていない限り、アップデートされたペナルティーを実際に経験することはないはずです。また、今後は、AFKが発生する試合や無効試合・対戦回避を繰り返すプレイヤーを目にすることは少なくなるはずです。
11.00での変更の影響
こうした変更を実施して以来、AFKなどの行為が発生することは明らかに減りました。
変更前と比べると、それぞれ以下のようになっています。
コンペティティブ:AFKや類似の行動の発生頻度が20%減少。
スイフトプレイ:AFKや類似の行動の発生頻度が6%減少。
アンレートなどのモードについて記載がないと思った人もいるかもしれません。アンレートに関しては、もっと別の形での変更を加える方が良い可能性もあるため、こうした行為について特に時間をかけて調査を進めている段階です。
次のステップは?
AFKなどの行為への効果的な対策を続けられるように、今後もしっかりと見守っていく予定です。プレイヤーの行動は一定ではなく常に移り変わっているため、すべてのプレイヤーにVALORANTを快適に楽しんでもらうためにはシステムによる対応が適切であるように目を光らせ続ける必要があります。
次回は、ボイスチャットやテキストチャットでの同様のパターンについて見ていきます。特定の行動パターンに集中的に対処することで、有害なコミュニケーションの頻度を下げることができます。詳細は次回をお待ちください!