VALORANTのゲームプレイの一貫性に関するアップデート
皆さん、こんにちは。コミュニティーの一部から報告された、試合ごとの一貫性の欠如に関する調査について、VALORANTゲームプレイチームよりお届けします。要約:本件はまだ作業中であり、チームにとって最優先事項のひとつであり続けています。今回の記事では、この問題への私たちのアプローチと、現段階までの調査で判明したことについてお話しします。
皆さんからいただいた報告
戦闘に一貫性がないとの報告に関しては、主に以下のような内容が皆さんから寄せられています。
- 「自分のネットワーク状態が安定していても、試合ごとに遅延の度合いが違うと感じる」
- 「他のプレイヤーが自分に対処できる速度が、試合ごとに速かったり遅かったりする」
- 「自分のVALORANTのプレイに、非常に一貫性がないように感じる。試合によっては自分がヘッドショットをどんどん決めているときもあれば、同じことが自分の身に起こることもある」
- 「高Pingのプレイヤーは、低Pingのプレイヤーに比べて、ピークするときに不当な優位性があると感じる」
調査概要
試合ごとの戦闘感覚にはさまざまな要因が影響しますが、ざっくりと「プレイヤー個人のパフォーマンス」と「競技の公正さ(公平性)」の2つに分類できます。
プレイヤー個人のパフォーマンスにおいては、フロー状態の存在を認知する必要があります。超集中状態である「ゾーン」状態のプレイヤーは、ゲーム感覚や注意力が高まり、反応速度が短縮され、フリックが高い精度で当たるような、より高いレベルの集中力を獲得します。高いスキルを持つプレイヤーは、トレーニングや練習によってパフォーマンスの一貫性を高める努力しますが、大半のプレイヤーのパフォーマンスは、一試合を通して、また試合ごとに一貫性がありません。
さらに複雑なのは、相手のスキルレベルやフロー状態が、自分が感じている自分のパフォーマンスに直接影響することです。例えば、敵のジェットがフロー状態にある場合、その反応速度の短さと命中精度の高さは、ネットワークの優位性により狙いをつける時間がより多い状態にある場合と区別がつかないかもしれません。
そこで、課題は以下のようになります。
- プレイヤー個人のパフォーマンスを除外して、試合における公平性をどのように数値化して測定できるのか
- 戦闘が試合ごとに異な るという感覚を与えるような、根本的な問題が基幹システムにあるのか
- 試合におけるパフォーマンスと公平性の問題を区別するために、私たちからどのようなツールやデータを提供できるのか
現在、私たちは試合ごとの一貫性の欠如につながる可能性のある問題を検出するためシステムを監査して、改善をいくつか行い、さらに、皆さんが今後試合で目にする問題を診断(そして報告)するのに役立ついくつかのグラフを追加しています。
調査は「レイテンシ」、「正確性」、「高Pingのピーカー」の3つの柱で構成されています。
レイテンシ
これは私たちが重点的に取り組む部分です。私たちが受け取る報告の大半は、既存の測定では捉えられないエンドツーエンドのレイテンシの変動によって説明することができます。
サーバーまでのネットワーク往復時間、入力レイテンシ、レンダリングレイテンシ、クライアント/サーバーのティックレートなど、総計レイテンシに関する情報のほとんどは既にグラフ化されています。しかし、これらの測定値すべてが安定しているように見えても、一貫性がないと感じられるという報告があります。
では、残りの可能性は何でしょうか?ネットワークバッファリングとネットワークジッタです。
基本をおさらいしましょう。サーバーは皆さんのクライアントから常に入力データを受信し、それを検証して、権威サーバーのワールドシミュレーションに再生します。これには、128x/秒でのスムーズな入力処理が必要ですが、ネットワーク状況やクライアントのフレームレートが変動するため、プレイヤーからの入力にむらがあり、予測できない勢いで受信されることがあることになります。
ネットワークバッファリングは、プレイヤーの入力データを処理する前にわずかな遅延を導入し、パケットが到着する際の一貫性の欠如を隠すことでゲームプレイをスムーズにしようとします。
ネットワークジッタとは、送信したパケットが宛先に到達するまでの時間のばらつきのことです。ジッタが低いと、サーバーはパケットを確実な間隔で受信しています。この場合、次のパケットがいつ到着するかを予測できるため、バッファ時間を非常に低く抑えることができます。ジッタが高い場合、1つのパケットと次のパケットの間に予測できないギャップが頻繁に発生するため、サーバーは入力を平均してより多く遅延させる必要があります。皆さんのクライアントが、敵の動きのデータやサーバーからのワールドアップデートを受信する方法に関しても同様です。
現在、私たちが見直している点は以下の通りです。
- ネットワークバッファリングは、(ネットワークの状態に対して)試合ごとに一貫して動作しているか
- VALORANTのバッファリングは長期間のジッタをどれほどうまく処理しているか。また、それはスムーズな動きを提供しつつ、遅延処理を効果的に最小限に押さえているか
- バッファリングは、短期的な障害(パケットロスの突発、Alt+Tabによるフレームレートのスロットルなど)からどの程度速く回復するのか