VALORANT 連載「システムの健全性」 - AFKおよび対戦回避に関するアップデート
編集者より:この記事はVALORANTのゲームシステム上の様々なトピック、特にコンペティティブとソーシャル&プレイヤーダイナミクスの領域での問題を深く掘り下げていく連載企画の一部です。連載の趣旨については「はじめに」をご一読ください。
皆さん、こんにちは。VALORANTのソーシャル&プレイヤーダイナミクスチームでシニアプレイヤーダイナミクス システムデザイナーを務めるSeth S. Smithです。今回は、パッチ6.07で実装されるAFKおよび対戦回避に対するインターベンション(介入)システムの改善事項について、コンペティティブ分野のアナリストParsa Spandarによる有益な情報分析も交えつつお話しします。
概要
- 度重なる対戦回避に対するRR(ランクレーティング)の減少量を増加させます。
- 度を越したAFK行為に対しては、以前よりも早い段階で1日間のランクのプレイ制限を適用します。
- 上記の変更はパッチ6.07で実装されます。
プレイヤーダイナミクスとは?
プレイヤーダイナミクスとは、プレイヤー同士が試合やソーシャルシステムの中で協調してプレイできるようにサポートする技術です。これには行動パターンの特定や、社会的行動システムへの調整も含まれており、一貫した試合への参加、公平なプレイ、安全で健全なプレイヤー同士のコミュニケーションといった"プロソーシャル"な振る舞いを促進しつつ、以下のような悪質な行動パターンを減らすことが目的です。
- ゲームへの参加に関する違反
- AFK(離席行為)
- 対戦回避
- ボットの使用
- 公平なプレイに関する違反
- アビリティーの不適切な使用
- ボディーブロック
- 妨害行為
- チート利用(エイムボット、トリガーボット、ウォールハック)
- グリッチの悪用
- コミュニケーションに関する違反
- テキストチャットでの暴言
- ボイスチャットでの暴言
- 不適切なプレイヤー名
- ヘイトスピーチ
- 性的なコンテンツ
- 脅迫
- 不適切な振る舞い
この記事では、VALORANTにおける理想的なプレイヤーの参加を促していることを保証するため、試合への参加に関して実施した調整(すなわち、対戦回避およびAFKに関するシステム)に焦点を当てます。
対戦回避
対戦回避とは、一度参加したキューから突然抜ける行為を指します。例えば、エージェント選択画面で時間切れになることなどが該当します。これは皆が試合に参加できるまでの時間を増加させ、対戦を希望する他のプレイヤーにとって大きな妨げになる非常に迷惑な行為です。
昨年、試合への参加に影響する違反行為の中でも最もよく見られたのが対戦回避でした。年始から計算して、ゲームへの参加に関連するあらゆるインシデントのうち、ランク戦での対戦回避とアンレートでの対戦回避はそれぞれ21.72%と15.34%、合計で37.07%を占めています。この種のインシデントの頻度は、プレイヤー全体で高くなっています。
対戦回避を減らすため、度重なる対戦回避に対するRRの減少量を増加させることにしました。
度重なる対戦回避によるRR減少量を増加させることは、VALORANTにおける連続的な対戦回避に対する私たちの断固とした姿勢を反映し、やがて皆さんの利益になるような形で「対戦回避」という行為に影響を与えると考えています。
AFK
AFK(離席行為)とは、対戦の最中に離席したり、対戦に参加しない行為を指します。例えば、ラウンド中に通信を切断する、その場にはいるが試合に参加しない、ボットとして検出される等がこれに当たります。こうした行為は味方チームが勝利する可能性を著しく低下させ、対戦に参加しているすべてのプレイヤーのプレイ体験を台無しにします。
度を越したAFK行為を頻繁に行うプレイヤーに対して、以前よりも早い段階で「1日間のランクのプレイ制限」の措置を取ることにしました。今後、常習的に度を越したAFK行為を繰り返すプレイヤーに対して、以前よりも早い段階で「1日間のランクのプレイ制限」を科すことにしました。
このようなAFKに対する断固とした姿勢と、私たちがプレイヤーの皆さんに期待する振る舞いが合わさることで、最終的にVALORANTの対戦の質が向上すると信じています。
ボットの使用
ボットの使用とは、試合中にボットを使用して操作を行う行為を指します。この行為によってチームバランスが偏り、味方チームが不利な状況に追い込まれるとともに、ゲームプレイの健全性が損なわれます。
今現在VALORANTが必要としているのはボットを追跡、介入し、最終的にボットの使用を減らしてプレイヤーの皆さんに価値を提供する、ボット使用への介入システムです。
今後ソーシャル&プレイヤーダイナミクスチームは、試合への参加、チームワーク、そして健全なコミュニケーションといった分野での"プロソーシャル"な振る舞いを促すための機能を作り上げることで、ボットの使用を減少させるシステムの開発を続けていきます。
結論
AFKや対戦回避のような試合への不参加行為に関するデータを慎重に分析した結果、VALORANTにおける不適切な振る舞いを減らし、質の高い対戦を増やすための洞察を得ることができました。素晴らしいプレイヤーである皆さんに、安全で居心地の良い体験を提供するという目標へ向けた大きなステップとして、パッチ6.07でこれらの変更を実装できることを楽しみにしています。